本記事は単体ではなく、「連続した思考」として構成されています。
前提を飛ばすと、本質は見えません。
【第1回】
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部位転がしとは果たして不正請求なのか?
【第2回】
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そもそも「部位転がし」とは何を指しているのか
【第3回】
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治療のための通院、維持できていますか?
【最終】
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部位転がしマネジメントとは何か?
「理解した!」→「意識しよう!」→ 実行・行動できる?
ここまで読み進んできて、
「なるほど」
「言ってることは確かに分かる!意識してやっていこう!」
…で、終わろうとしていませんか?
理解しても、現場は変わらない。
意識しても、現場は変わらない。
現場を変えるのは、仕組みだけです。
断言します。
理解しただけでは、現場は1ミリも変わりません。
そもそも、変わる構造になっていません。
なぜか。
現場は今の「構造」で動いているからです。
どれだけ正しい知識を持っていても、
・通院の流れ
・問診の仕方
・評価のタイミング
・記録の残し方
これらが変わらなければ、
アウトプットは一切変わりません。
現場で起きる“よくある勘違い”
それは、「意識で変えようとすること」。
・今日からちゃんと問診しよう
・しっかり評価しよう
・ちゃんと説明しよう
・ちゃんと記録しよう
「しっかり」「ちゃんと」では、現場は動きません。
それは指示ではなく、抽象語だからです。
人は、仕組みが変わらなければ行動は変わりません。
必要なのは「ルール化」
ではどうするか。
答えは至ってシンプルです。
現場をルールで縛ること。
① 評価の強制的なタイミング=“基準”を作る
・初検
・2回目(再検:初検対比)
・中間再検(⚫︎日前後)
・転帰判断
自院では中間再検のタイミングが固定されていますか?
現場の落とし穴は、初検時の通院説明を途中で管理しなくなることです。
特に、中間再検の欠落は大きい。
中間再検は「やるかどうか」ではありません。
通院を継続させる以上、途中経過を管理するための必須工程です。
これが無いまま通院が続けば、通院は構造ではなく惰性で進みます。
その帰結として、傾向的な「3か月目転帰」が生まれ、部位転がしの疑義を招きます。
特に交通事故や労災では最大5回までの再検料が算定される以上、
明確な再検管理が無ければ、算定の妥当性そのものが問われかねません。
② 治癒の基準を固定する
・ROM
・筋力
・ADL
・疼痛スケール
「なんとなく良くなった」は禁止。
治癒は、条件を満たしたら終了。
治癒転帰の基準は、スタッフ全員で共有されていますか?
③ 負傷原因をテンプレ化する
・いつ
・どこで
・どの動作で
・どのような外力が
・身体のどこに
・どのように加わった
毎回同じ精度で記録される状態を作る。
ここがブレると、外傷性の証明は崩れます。
負傷原因の聴取精度は、誰が問診しても一定ですか?
④ 通院を「設計」する
・なぜその頻度なのか
・なぜその期間なのか
説明できない通院は、すべて崩れます。
ここまでやって、初めて成立する
ここまでやってようやく、
「証明可能な通院サイクル」になります。
逆に言えば、
ここまでやっていないなら、あとは運任せです。
返戻が来るか、照会が来るか。
それを“運”で処理しているだけです。
本来あるべき状態は違います。
返戻ウェルカム。
照会ウェルカム。
面接確認ウェルカム。
なぜなら、
“正しい通院構造”に基づき、“正しい算定”をしているだけだからです。
最後に
ここまで読んで、どうするかは自由です。
・分かったで終わるのか
・現場を変えるのか
ただ一つだけ言えるのは、
現場を変えない限り、結果は変わらないということです。
ここまで読んでいただいた先生へ。
知識ではなく、構造を変えましょう。
同じ視点でこの業界を見ている先生方と、
この思考を共有し、実践する仲間として繋がっていきましょう。