📌 この記事でわかること
- 7月改定の「3か月ルール」が適用される患者・されない患者の違い
- 6月中に治癒した患者と7月以降に治癒した患者の決定的な違い
- 初検料が算定できないケースと再検料2回算定の境界線
- 現場で必ず発生する疑義と受付説明のポイント
- 通知文だけでは理解しづらい期間計算の考え方
※本記事は令和8年6月16日午前10時時点の情報を基に作成しています。
現時点では厚生労働省から本改正に関する疑義解釈通知は発出されていません。
そのため、本記事は令和8年度柔道整復療養費改定通知の内容から読み取れる範囲での解釈・考察となります。
令和8年度柔整療養費改定|初検料の3か月ルールと再検料の1か月ルールを徹底解説
令和8年7月1日から適用される柔道整復療養費改定。
今回の改定の中でも、「患者ごと償還払い変更要件」と並んで問い合わせが圧倒的に多いのが、
「初検料の3か月ルール」
そして
「再検料の1か月ルール」
です。
先生方にまず問いかけたいことがあります。
本当に7月1日から全ての患者が新ルールの対象になるのでしょうか?
6月30日に治癒した患者と、
7月1日に治癒した患者。
たった1日の違いで、その後の取扱いは大きく変わります。
今回の改定で最も重要なのは、
「7月から変わる」
ことではありません。
「誰が新ルールの対象になるのか」
です。
通知文をそのまま読んでも理解しづらい内容だからこそ、
今回はスタッフ研修でもそのまま使えるレベルで、
- 何が変わったのか
- どう計算するのか
- 実務で何が起こるのか
の3ステップで整理していきます。
1.何が変わったのか?(新旧ルールの超要約)
今回の改正は、
「一度治癒・中止した患者が、短いスパンで再来院したときのルール」
の変更です。
改正前(6月30日の転帰まで)
【初検料】
転帰(治癒・中止)から1か月以内の再来院は、同じ部位でも違う部位でも初検料が算定可能。
例えば“昨日筋挫傷が治癒”し、今日新たに“捻挫”を受傷した場合でも初検料の算定は可能です。
【再検料】
初検の日の後、初回の後療の日のみ算定可能。
改正後(7月から)
【初検料】
転帰(治癒・中止)から3か月以内の再来院は、負傷部位が異なっていても初検料は算定できません。
昨日“捻挫”が治癒し、今日“骨折・脱臼”で来院した場合でも初検料は算定不可となります。
【再検料】
転帰(治癒・中止)から1か月を超えていれば、初検料の代わりに再検料を2回まで算定できる仕組みが新設されました。
つまり、
「初検料は算定できないが、再検料で一定の保険給付を認める」
という救済措置が設けられた形です。
💡ざっくり言うと
すぐに負傷した患者には初検料は保険適用外。
しかし1か月以上経過してからの負傷であれば、初検料は保険適用外でも再検料2回が保険適用となる。
これが今回の改正の本質です。
2.期間の計算はどうやるのか?(日付の数え方)
通知文に記載されている日付例が分かりにくいという声が非常に多くあります。
結論から言うと、
「翌日の同日の前日」
までがその期間です。
3か月の数え方(初検料算定不可期間)
7月1日に治癒・中止した場合
7月2日から起算して10月1日までが3か月以内。
10月2日以降であれば初検料算定可能です。
1か月の数え方(再検料算定可能期間)
7月2日に治癒・中止した場合
7月3日から起算して8月2日までが1か月以内。
8月3日以降であれば再検料2回算定の対象となります。
3.実務で想定される疑義(Q&A)
❓【最重要】6月30日に初検で、7月に2回目が来院した場合、再検料は2回取れる?
🟢結論:取れません。
今回の改正ルールそのものがまだ適用されません。
通知文には、
「令和8年7月1日以降に負傷の治癒又は施術の中止があった場合について適用する」
と記載されています。
つまり新ルールの対象は、
7月1日以降に治癒・中止となった患者です。
6月30日の初検患者が継続施術で通院する場合、
従来の再検料ルールが適用されます。
❓6月中に治癒・中止した患者が7月に再来院したら?
🟢結論:旧ルールです。
6月25日に治癒した患者が7月3日に再来院した場合、
治癒した時点が改正前であるため、
初検料算定は可能となります。
また、
6月25日に任意に施術を中止した患者が7月26日に再来院した場合、
その施術が同一負傷に対するものであっても
初検料算定は可能となります。
一方、
6月25日に任意に施術を中止した患者が新たな負傷で7月23日に再来院した場合、
任意に施術を中止してから1月以上経過していないため、
初検料算定はできません。
❓7月1日以降に治癒・中止した患者が再来院したら?
🟢ここからが本当の新ルールです。
パターンA:1か月以内に再来院
例:7月5日治癒 → 7月15日再来院
初検料:算定不可
再検料:算定不可
パターンB:1か月超3か月以内に再来院
例:7月5日治癒 → 8月10日再来院
初検料:算定不可
再検料:2回算定可能
パターンC:3か月超で再来院
例:7月5日治癒 → 10月10日再来院
初検料:算定可能
通常の初検料算定となります。
6月と7月で「何がどう違う?」は、
「治癒・中止の管理」
です。
いつ治癒・中止と判断したかで、
その後3か月間の算定構造が決まります。
まとめ
今回の改定は、
「7月から変わる」ことではありません。
「誰が新ルールの対象になるのか」
です。
今後発出される疑義解釈によって細部が変わる可能性はあります。
※本記事は令和8年6月16日午前10時時点の情報を基に作成しています。
現時点では厚生労働省から疑義解釈通知は発出されておらず、本記事は改正通知から読み取れる範囲での解釈・考察となります。