令和8年度 柔道整復師(柔整)療養費改定に向けた議論がスタートしました。
物価高騰・賃上げへの配慮が語られる一方で、今回も中心に置かれているのは「明細書発行」です。
今回の委員会で話された内容を踏まえつつ、現場目線で「結局どう運用すべきか」を整理します。
今回の議論で見えてきた「料金アップ」の論点
今回、料金アップの具体的要望として出た項目は、主に以下。
- 明細書発行の「毎回加算」
- 初検料アップ・再検の回数増
- 加算項目のアップ
前向きな要望に見えますが、ここで一度、冷静に現実を見ましょう。
明細書加算は、本当に「議論する価値」があるのか?
ここから整理する必要があります。
医科においても、明細書発行に関する評価は、原則「1回につき1点(10円)」という扱いになっています。
仮に柔整において「毎回算定」が実現されたとしても、
1回あたりの評価が10円である限り、実質的な収入構造は何も変わりません。
また、毎回算定となる場合、更なる算定要件が突きつけられ、結果今以上に見合わない算定項目にもなりかねません。
そもそも明細書、患者は本当に必要としてる?
多くの現場で起きているのは、これじゃないですか?
- 明細書を発行する
- 患者が内容を見ずに受け取る
- その場でゴミ箱へ(または帰宅後に廃棄)
ここに、
- 用紙代
- インク代
- 人件費
- 発行にかかる時間
を乗せている。
正直、ただの「コスト」と「資源」の浪費になっているケースが少なくないと思います。
不正を減らしたい保険者の要望に、金つけてくれ、な要望。当の患者はどこにもいない対話です。
解決策はシンプル。「出す」じゃなく「聞く」
必要なのは、発行義務を盲目的に守ることではありません。
必要なのは「発行」ではなく、
「不要であることを確認し、記録すること」です。
運用はこう。
- 院内掲示や口頭で、明細書発行の背景(コストなど)を説明する
- 患者に「明細書、必要ですか?」と確認する
- 「不要」なら、その同意を記録(施術録に記載/「不要」の一筆をもらう)
特に、説明で押さえたいのはこの3点。
- 材料費(紙・インク)が高騰している
- コストに対して報酬が「10円」(患者負担も発生)
- 紙資源=環境負荷の問題
本当に欲しい患者には「必要な時に」発行すればいい
もちろん、
- 医療費控除で必要
- 内容を確認したい
- 家族への説明に必要
こういう患者さんには従来通り、必要な時に発行すればいいだけです。
「捨てられること前提」で全員に毎回配る必要はありません。
必要なのは「発行」ではなく「確認と記録」
業界団体の一部には「とにかく発行しろ」という空気もありますが、そもそも論。
患者が不要と言っているものを、無理やり渡す必要はどこにもありません。
重要なのは、
- ❌ 発行したかどうか
- ⭕ 不要であることを確認し、記録してるかどうか
ここを履き違えると、現場だけが疲弊します。
明細書対応がしんどい院へ(ここから実装)
「明細書が面倒」
「スタッフが嫌がる」
「対応がなんとなく曖昧」
そう感じているなら、“聞き方”と“記録管理”を整えるだけでかなり楽になります。
ぜひ取り組んでみてください。

続く