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令和8年度柔整療養費改定|2部位目80/100逓減で見落とされる「治癒転帰」の落とし穴

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令和8年度柔整療養費改定の中で、多くの柔整師が注目しているのが「2部位目80/100逓減」です。

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SNSやセミナーでも話題になるのは、

「2部位請求が減額される」

という部分でしょう。

確かに間違いではありません。

しかし、本当にそれだけでしょうか。

僕は今回の改定で本当に影響を受けるのは、むしろ3部位以上を請求している施術所ではないかと考えています。

なぜなら、多くの施術所が無意識に行っている「治癒転帰」が、今回の2部位逓減と深く関係しているからです。

本当に2部位患者だけが対象なのか?

令和8年7月から、後療料、冷・温罨法料、電療料について、2部位目は80/100、3部位目は60/100で算定されることになります。

そのため、多くの先生は、

「2部位患者が減算となる改定」

と理解しています。

そして、

「うちは3部位以上の請求もあるから関係ない」

と考えているかもしれません。

しかし、本当にそうでしょうか。

ここで一つ質問です。

その治癒転帰、根拠ありますか?

本当に症状が消失しましたか。

それよりも、

「そろそろ3か月前後だから」

ではないでしょうか。

もちろん、症状が改善し事実として治癒したのであれば問題ありません。

しかし柔整業界には、継続月3か月前後で治癒転帰を付ける習慣があります。

実際、厚生労働省の資料でも3か月付近で治癒転帰が集中していることが示されています。

つまり、多くの施術所で、

「長期前後だから“請求を終わらせる”」

という運用が行われている可能性があるのです。

もし症状が残っているのであれば、なぜ治癒転帰を付けたのでしょうか。

もし症状が残っているのであれば、その部位は継続請求のはずです。

今回の改正は、単純に2部位患者の料金が下がる話ではありません。

僕には、

「その治癒転帰は本当に事実ですか?」

という問いを投げ掛けているように見えます。

3部位患者を自ら2部位患者へ変えていないか

例えば、腰部・背部・上腕部の3部位で施術している患者がいたとします。

そして継続3か月目前後で、

  • 腰部に治癒転帰
  • 数日後に背部へ治癒転帰
  • 結果として上腕部のみが残る

このような算定パターンは決して珍しくありません。

しかし、この時点で患者はどうなっているでしょうか。

先生方は「3部位請求」のつもりでも、実際には3部位請求ではなくなっています。

腰部に治癒転帰を付けた瞬間から2部位です。

さらに背部へ治癒転帰を付けた瞬間から1部位。

つまり、経過に合わせて、自ら3部位請求を2部位請求へ、さらに1部位請求へ変えていることになります。

今回の改定でのポイントはここです。

多くの先生は、

「2部位請求をしている患者が逓減される」

と認識しています。

しかし実際には、

「自ら3部位算定を2部位算定に変え、逓減を招いている」

可能性があるのです。

添付図のように月末へ向けて転帰を分散して付けた場合、治癒転帰以降の通院日数分だけ算定損失が発生します。

長期逃れの前倒し転帰
と呼んでいます。

後療三法676円換算で考えれば、その損失は決して小さくありません。

しかし本当に重要なのは金額ではありません。

その転帰が患者の状態を正しく反映しているのかという点です。

なぜなら、もし症状が残っているのであれば、その損失は制度改定によって生じたものではなく、自ら作り出している損失だからです。

今回の改定で問われているのは算定手法ではない

今回の令和8年度柔整療養費改定を見ていると、単なる金額・ルール改定とは思えません。

むしろ、

「その治癒転帰は本当に事実ですか」

「その施術継続は本当に必要ですか」

「その施術回数は本当に必要ですか」

という部分が問われているように感じます。

これまで当たり前に行われてきたレセプト業務。

これまで疑問なく行われてきた転帰処理。

令和8年度改定は、その一つ一つを見直すタイミングなのかもしれません。

先月・先々月の“初検以降3~4か月継続来院患者”のレセプトを10枚だけ見返してみてください。

その治癒転帰は、本当に症状消失によるものでしょうか。

それとも、

「長期前後だから」

という理由で付けられたものでしょうか。

もし後者が含まれているのであれば、今回見直すべきなのは2部位目80/100逓減への対応だけではありません。

治癒転帰そのものの考え方です。

2部位逓減は本当に2部位請求患者だけの減算なのか。

3部位算定を自ら2部位算定へ変えていないか。

そして、その転帰は本当に患者の状態を反映しているのか。

令和8年度柔整療養費改正は、柔整師にその問いを投げ掛けているように思います。


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