前回の記事では「集客より制度理解が必須」というテーマで、健康保険・労災・自賠責の基本的な違いについて整理しました。
今回はその続きとして、多くの柔整師が“無意識に算定している2つの不正請求”について。その一つである“再検料”について掘り下げます。
再検料の算定ルール(労災保険の算定基準の留意事項より)
(※自賠責保険の算定は労災保険に準拠するため、原則として労災の算定基準を適用)
第4 再検料(の算定)
再検料は、初検料を算定した月においては1回、翌月以降は1か月(暦月)2回を限度とする。
また、初検料を算定した月の翌々月を限度とすること。
- 健康保険:「初検の日後、最初の後療の日のみ」算定可能
- 労災保険:初検月は1回、翌月2回、翌々月2回まで算定可能
- 自賠責保険:労災保険に準拠
- いつ再検をしたのか日時が不明確
- 再検で何を行ったのか、記録がない
- そもそも、算定要件を理解していない
- 健保も自賠責も、レセコンが自動的に再検料を算定→印刷というシステム化
- 不払いや調査の対象になる
- 継続的に積み重なれば不正請求疑義として調査→面談→今後一切の任意一括払い拒否の可能性
- 患者への不信感を招く
なぜ再検料が“不正請求”になりやすいのか?
健保・労災・自賠責、それぞれに算定ルールがあります。
- 再検料の算定
つまり──制度ごとに要件が違い、その根拠を明確に残さなければ算定できません。
しかし現場では…
これでは「やってもいない再検料」を算定していることになり、結果的に不正請求として疑われる可能性が高くなります。
実際に起きている現場のリスク
柔整業界として、「算定が常態化」となっている現状ですが、支払い側からするとアウト。
その結果…
つまり、悪気がなくても「無意識(無知)」こそ最大のリスクなんです。
☝️解決策☝️──「いつ」「何をした」を明確に
再検料を正しく算定するには、
-
・自院の「算定日の基準」を明確に設定すること
・再検の内容を具体的に設定すること
・「再検日」「再検内容」を施術録に記載管理すること
・制度ごとのルールを正しく理解すること
が必須です。
「制度を知らなくても現場は回る」──だからこそ、無意識の算定が不正請求につながる。
知識第一主義で、自院と患者を守る経営を進めていきましょう。
👉 次回は、同じく“無意識の不正請求”が多い“指導管理料”について解説します。
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