夏の名物、全国高校野球選手権大会(甲子園)。
この時期になると、開会前より各メディアが高校野球に関する番組を放送し甲子園の盛り上がりの後押しに一役立っていますね!
個別に選手をサポートしたり、チームトレーナーとして球児のサポートに尽力する柔道整復師の先生もご活躍の時期です。
最近では、高校野球マニアの芸人が集い高校野球特集を放送しているバラエティ番組もよくみかけるようになりました。
つい先日も、「ア◯トーク」という番組で松坂選手が高校時代のトレーナーについて番組内で色々と話していた様です。
おや????
この画像、よく見てみると…
「院長がトレーナーなので100円でサポート?!」
何かよくわからない会話が出て来ていますよ…(・・?)
①院長が横浜高校野球部にトレーナーへ赴き外部でトレーナーとして何かしらをサポートする
②横浜高校野球部が院長の接骨院へ赴き何かしらを100円でサポートしてもらう
考えられるのはこの2点(でしょうか)
さて、①②共、「何か」問題点がないか確認してみましょう。
※補足
過去にこんな刑事事件がありましたね。
(若手の先生方は知っておいたほうがいいですよ)
【2009年奈良産業大学野球部にて発生した刑事事例】
奈良産業大(奈良県三郷町)硬式野球部の新田泰士元監督(50)経営の「みむろ整骨院」(同町)が療養費を不正受給していた問題で、県警生活環境課は11日、詐欺などの疑いで新田元監督ら4人を逮捕した。
ほかに逮捕されたのは、同部の前監督、保険代行会社社員、新田元監督が経営する会社の従業員。新田元監督と保険代行会社社員については、柔道整復師法違反(虚偽の届け出)容疑でも調べている。
近畿厚生局と奈良県によると、新田元監督や前監督らは部内での立場を利用し、実際には施術を受けていない部員に名前を記入させ架空の療養費申請書を作成。また同整骨院では勤務実体のない柔道整復師らが施術したと装って療養費を申請し、平成18年10月から20年12月にかけて計約4200万円の療養費を不正に受給したとされる。
県などは今年4月、詐欺罪などで新田元監督らを県警に告発。県警は関係先を家宅捜索、新田元監督らから任意で事情聴取して捜査を進めてきた。捜査関係者によると、新田元監督は事実関係をほぼ認めており、不正に受給した療養費のうち十数万円分についての容疑で取り調べているという。
同厚生局などは、新田元監督らに、不正受給した療養費全額を各自治体に返還するよう求めている。
MSN 産経ニュース 2009.5.11
奈良産大の事例は①を療養費として取り扱うことで事件となってますが、療養費としての取り扱いがなければ問題はないですね。
②ですが、選手が施術所に赴いた場合、「100円で施術を受けている」ことが想像できるかと思いますが、100円で施術をするからには、「健康保険」が絡んでいそうな感じがしますね。
さてここで、受領委任に基づく療養費の取り扱いを確認しましょう。
(療養費の算定、一部負担金の受領等)
17 (前文略)なお、患者から支払を受ける一部負担金については、これを減免又は超過して徴収しないこと。
ただし、算定基準の備考5.により算定する場合は、当該施術に要する費用の範囲に限り、算定基準により算定した費用の額を超える金額の支払いを受けることができること。療養費の支給基準
届出をすることにより超過しても良い場合はありますが、一部負担金を「安く」「負担額に満たない」徴収は受領委任契約に対して『違反』していることになります。
参考までに、一部負担金を添付します。
よくある事例①
一般3割負担(後療料):500〜600円
学生料金(後療料):100円〜300円
300円の徴収だと、「2部位請求」の一部負担金に満たない、
100円の徴収だと、「1部位請求」の一部負担金に満たない、
ことは一目瞭然ですね。
よくある事例②
学生料金:初回から一律500円(自費メニュー込み込み)
学生料金300円徴収の整骨院の先生、「うちは1部位請求しかしないから違反ではない」とお考えでしょうか。
確かに、一部負担金を減免していないという部分のみを都合良く解釈するとそれで問題ないかもしれません。
が、その料金設定自体が何かしらの「受領委任違反」に該当していないと絶対的な根拠をお持ちなのでしょうか。
そして学生料金初回から一律500円徴収の先生、後療3部位で一部負担金480円なので、後療に関しては問題ないかと思いますが、初回の費用ってどのように考えていますか?
初検料1460円、施療料760円/1部位→計2220円→一部負担金は670円となります。
冷罨法や初検時相談支援料を除いてもこの金額となるため、初回料金が受領委任契約違反となることがご理解いただけるかと思います。
さて学生料金にて学生を診ている先生、これを知っても「うちは大丈夫」と根拠もなくこれからも続けますか?
では、一昨年、一部負担金を正しく徴収せずに個別指導監査となった事例を2件、ご覧ください。
(金額設定が学生料金を設定している貴院と類似しているはずです)
たかが一部負担金、その一部負担金でさえルールを守らないと、いつか困ることになるかもしれませんね。
次回、「まだまだあります、学割含めた違反な料金」を配信いたします。
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