柔道整復師の保険請求からWeb集患・経営まで小規模整骨院の育成実践塾

柔整Masters

関係法規Masters

ギョーカイ人の法解釈はたいていの場合間違っている

投稿日:

知人の鍼灸師が美容鍼灸のサロンを開設して、有名なポータルサイト、エキチン(仮称)に店舗情報の無料掲載を申し込んだ。

メニューやら施術中の写真やら張り切って掲載したのであるが、数日後エキチンから「掲載をご遠慮いただく表現」があった旨の連絡があった。

件のサロンにはラジオ波&LEDというメニューがあるのだがこれが掲載不可なのだという。

その理由がびっくりで、「光を取り扱う機器は医師免許が必要となるメニューです。免許取得状況について本メールにご返信いただくか画像の削除をお願いします。」

へええ。


電気光線器具の使用は、あはき柔整の業務に含まれるのは業界にいる人ならジョーシキ以前の話である。

遠赤外線だってマイクロサーミ―だってカーボン灯だってみんな光線器具ですよ。

遠赤外線の照射で療養費の電療だって請求できるのである。

ウチの治療院にも光線療法の機器がご丁寧に3台もある。

オレ(筆者のことね)は医師法に違反してるのか?

それなら根拠を示していただきましょう、ということで「光を取り扱う機器に医師免許が必要」なる文言の根拠をもう一遍問い合わせてもらった。

するとちゃんと返事がきましたよ。

「強い光を取り扱う光の照射には医師免許が必要な場合が多くございます。ユーザー様が、免許がなくても使用できる機器との判別を正確に行うことは難しいと考えております。そこで、エキチンでは光を取り扱っていると想起できる表現・画像は医療ジャンルの店舗様のみとしております。」

まったくこちらの質問には答えていない回答なのだけど、思い当たるふしがあった。

エステの光脱毛に関する平成13年に発出された厚生労働省医事課課長の通知である。

「用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線またはその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為は、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17 条(医師の業務独占:筆者注)に違反する。」(医政医発第105 号)

これに対応する形でエステ業界も自主規制を行い、医師法に抵触しないとされる光を使った脱毛法(美容ライト脱毛)も存在するらしい。

ただ現在も光脱毛で医師法違反に問われるケースは皆無ではない、というかちょくちょくエステ関係者が医師法違反でパクられている。

両者の区別は素人には困難なのであろう。

まさに「ユーザー様が、(医師)免許がなくても使用できる機器との判別を正確に行うことは難しい」状況。

おそらくはこれを拡大解釈したのか読み間違えたのか、の結果が「光を取り扱う機器は医師免許が必要」という与太話の根拠なのであろう。


驚くべき国語力の持ち主が日本最大級のポータルサイトの掲載内容を取り仕切っているのである。

エキチンが自社のポータルサイトでどのような掲載基準を持とうがそれは自由である。

ただ、「LEDを使うのは医師法違反」とか「光を取り扱う機器は医師免許が必要」とかいう話が勝手に独り歩きを始めてあはき柔整の「業務範囲」を勝手に狭くしてしまうことは絶対に避けなければならない。

特に与太を流しているのがエキチンのようなメジャーな媒体であるほど信憑性があるように見えてしまう。

言うもないことであるがエキチンの掲載基準と法律は別のものなのである。

以前にも結構大きな医療機器会社の社長さんがFacebookでこれに類する与太を流したことがあって、内容とか根拠(のつもりで発信していたこと)のめちゃめちゃ加減に呆然としたことがある。

関係法規の解釈をうんぬんしている人のおつむは我々が思っているよりはるかによろしくない。

決して彼らのいうことを鵜呑みにしてはならない。


柔道整復師の皆さん、自らの免許を守るために柔整Mastersから正しい情報を受け取りませんか?
会員限定記事も登録後すぐに読んでいただけます!
メルマガ登録は↓からお願いします!
無料会員登録はこちらから

-関係法規Masters

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.

Copyright© 柔整Masters , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.